令和5年度 卒業式

更新日:2024年4月15日


2024年3月27日。


日本宮殿の桜が満開に咲きほこるなか、ドレスデン日本語補習校 小学部の卒業式が行われました。


小学部を卒業するふたりの6年生。ひとりはどうしても都合が合わず欠席となりましたが、もうひとりの児童は黒いジャケットを羽織り、凛々しい表情で式典に臨みました。入学するときには、ご両親よりも背が低かったのに、いつの間にかお母さんよりも、お父さんよりも背が伸び、たくましく成長してくれました。


担任の先生から、「楽しいことだけではなかったはずですが、ご両親からのサポートでここまで来られたと思います。ご両親の愛情に感謝して生きていってください」とのお言葉がありました。


校長先生からは、料理に例えて祝辞がありました。補習校での勉強は、料理と同じで目に見えるものと、目に見えないものがあります。どちらかというと見えないものが多いでしょう。日本語がそのまま世界に通じるようになった「うまみ」という言葉があります。うまみは様々な食材や調味料が絶妙に合わさって美味しさが醸し出されています。日本語やドイツ語、そのほかの様々な経験を絶妙に合わせて、料理名「卒業生」をもっともっと美味しくしていってください、と述べられました。


卒業生答辞。

ひとりだけの式のため、お母さんからは「きっと一言しか答辞が述べられません」と前置きがありましたが、一言どころか、「ここまで日本語を頑張れたのは両親のおかげです」としっかりした言葉を述べてくれました。日本語教育のために、ご両親のキャリアを諦めて日本帰国を本気で考えた時期もあったこと等、ご家庭の背景を聞いていただけに涙がこぼれそうでした。


ご両親からは、「ひとりだけの式なので辞退しようと思っていたが、卒業の節目に式典に参列できたことが心の中でも区切りになりました。ドイツにいては節目が曖昧になりがちですが、日本の文化を受け継ぐ意味でも式をしてもらえてよかった」と感謝の言葉をいただきました。皆さまのご協力のもと、卒業式が滞りなく開催できたことがありがたく、心まで温かくなりました。



卒業おめでとう。これからの人生に幸多き事を!